心と体がおかしい、自力では無理だと思って心療内科へ
20代後半になって、私は仕事のストレスやコロナ禍などでプライベートも上手くいかず、心身の体調を崩した時期があります。まだHSPという言葉を知る前です。
主には強い不安感(仕事で失敗する夢を見る)、ぐるぐる思考により睡眠がとれない(寝た気がしない)、動悸がする、急に泣きたくなったり情緒が安定しない、これからの人生楽しいことはないかもしれないなど悲観的な気持ちが続く、などです。
きっかけは在宅勤務でしたが、きっと20数年ずっと我慢してきたものが限界に達したのだと思います。
HSPの方は我慢強い人が多く、「自分が我慢すれば…」と自己犠牲をしている人も多いと思います。人の機微には敏感ですが、自分自身のことには疎いところもあり急に折れてしまうこともあります。
私が異変に気づいた時には折れる寸前でした。
「これはもう自力では無理だ」「このままでは失うものが大きすぎる…」と決心した私は会社の近くの心療内科をしました。
「心療内科に抵抗がある」を超えて見えた景色
心療内科を受診するのって抵抗がありませんか?
その要因としては
- 自分の弱さを認めたくない気持ちがある
- これは単なる甘えなのでは?と自分を責めてしまう
- たくさん薬を処方されたらどうしよう
- 休職することになったらどうしよう
など、様々な想像が膨らみますよね。
私も受診するまでに本当にたくさんの「いや、でも、だって…」の繰り返しでした。
ですが、実際に病院に入っていくと優しくて頼れるスタッフのみなさに迎えていただくことができました。
最初のカウンセリングでは現在の症状だけでなく、自分の生い立ちや考え方のクセ、今一番悩んでいることなどぐしゃぐしゃの頭の中を対談形式で整理してもらいました。
当時の私は初めて会う人の前で大号泣。優しくティッシュを渡されてさらに大号泣。
「ああ、私は誰かに自分の弱さを知ってほしかったんだ」って思いました。
一時的にですが、久しぶりに心が晴れたことを覚えています。
カウンセリングやTMS治療で、少しずつ前向きに
私は先生に「なるべく薬には頼りたくないです」とはっきりお伝えしました。
その気持ちを踏まえて先生はカウンセリング、脳への刺激で改善を図るTMS治療を中心とした治療方針を立ててくださいました。
途中、不眠や不安症状が強く出てしまうこともあったので薬物療法も取り入れることになりましたが「薬に頼りすぎないように」と配慮しながら、段階的にサポートしてくれたのがありがたかったです。
当初は休職になるかもしれないと心配しましたが、治療に通うことで休職することはありませんでした。
私の場合はやや遅いながらも手遅れにならないタイミングで受診できたことが幸いだったのだと思います。
完璧を求めない自分との付き合い方
今は地方に拠点を移し、心療内科には通っていません。
ただ、完治したかというとそういうわけでもありません。今でも定期的に漢方内科に通っており、漢方薬を中心とした治療は続いています。
「心も風邪を引く」とはいいますが心の風邪はなかなか完治が難しいものだと思っています。
環境やホルモンバランス、気圧、季節によっても変わってきますのでその都度自分を労わっていくことが大切なことだと感じます。
それを何度か経験すると、「ああ、今日は少しバランスが崩れているから本調子ではないのかな?」といった気づきもできるようになってきます。特に生理前だと、「決して私の本心で怒っているのではなくホルモンに悪さされているんだ」なんて客観的に分析したりしています。(笑)
心療内科に行ってよかった
最近ではHSPの認知度も上がっておりご自身がそうだと自覚されている方も多いと思います。
HSPだから敏感になるのは普通だと思っていても、限界はあります。気質を理解したからと言って悩み過ぎると病気になってしまいます。
気質なのか病気なのか受診タイミングって悩むかもしれませんが、睡眠に支障がでたり、同じ不安が頭から離れない、未来に希望が持てなくなったりしていたらそれはサインかもしれません。限界まで耐える必要があるのでしょうか?「まだ大丈夫」なんて我慢して耐えている時間がもったいないです。
HSPの方だけに限らず、最初の一歩がなかなか出ないかもしれませんが、まずは近くにある病院を調べてみたり他の体験談を読んで準備を始められてはいかがでしょうか。 私は心療内科へ行って本当に良かったと思っています。
今、つらい気持ちでいらっしゃるあなたの一歩が前に出ますように。

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